用語

PDF圧縮

PDF圧縮は、埋め込み画像の圧縮、不要なデータの削除、内部構造の整理によって、読みやすさを保ちながらPDF書類のファイルサイズを小さくする処理です。

PDFが大きくなる原因

PDFのファイルサイズは、ほとんどの場合、埋め込まれた内容によって決まり、中でも画像が大きな割合を占めます。

文字とベクター図形(線、図形、フォント)だけを含むPDFは、本来小さいファイルです。文字は文字コードと位置情報として保存され、フォントは実際に使う文字だけを含むサブセットにできます。画像のない50ページの書類なら、数百KBに収まる場合があります。

画像を入れると大きく変わります。高解像度の写真1枚を最高品質で埋め込むだけで、5〜10 MB増えることがあります。スキャン書類は各ページが全面のラスター画像なので、特に大きくなります。300 DPIで10ページをスキャンした書類が50 MB以上になる場合もあります。

ほかにも、フォントの埋め込み、特にサブセットではなく完全なフォントを含めた場合、同じ画像を何度も埋め込んだ重複リソース、編集後に残る未使用のオブジェクト、複数回の更新で蓄積したメタデータや注釈などが影響します。

効果的に圧縮するには、まず対象のPDFが大きい理由を把握します。画像が原因のPDFと、内部構造の重複が原因のPDFでは、使う手法が異なります。

圧縮の手法

複数の手法を組み合わせると、効果的にファイルを小さくできます。

  • 画像のダウンサンプリング: 埋め込み画像の解像度を、実際の表示サイズへ合わせます。3,000×2,000ピクセルの画像を書類内では300×200で表示しているなら、必要以上のデータを持っています。表示解像度へ下げると無駄を除けます
  • 画像の再圧縮: 埋め込み画像を効率のよい形式へ変換するか、非可逆圧縮を適用します。PDF内の無圧縮TIFFをJPGやJPEG 2000へ再圧縮すると、大幅に小さくなる場合があります
  • フォントのサブセット化: 完全な埋め込みフォントを、書類で使う文字だけのサブセットへ置き換えます。500 KBの完全なフォントが、対象書類の文字だけなら30 KBになる場合があります
  • オブジェクトの重複除去: 同じリソースを見つけて重複を除きます。すべてのページに同じロゴがある場合は、各ページへ別々に埋め込まず、1つを保存して繰り返し参照します
  • メタデータと構造の整理: 編集履歴、使っていないフォーム項目、JavaScriptなど、書類の作成・編集で蓄積し、配布には不要なデータを除きます。必要な機能や記録は削除しないよう確認してください

PDFを一連の最適化工程で処理するツールなら、これらを1回で適用し、手作業なしでファイルを小さくできます。

圧縮と画質

PDF圧縮と見た目の関係は、適用する手法によって決まります。

フォントのサブセット化、オブジェクトの重複除去、不要なメタデータの削除など、構造だけを整理する処理では見た目は変わりません。書類の内部表現だけが効率的になります。必要なデータを見極めたうえで適用できます。

画質との兼ね合いが生じるのは画像圧縮です。埋め込み画像を非可逆方式で再圧縮すると、見た目の忠実さが落ちます。中程度の設定なら、多くの表示環境で差を見分けにくい場合があります。強い設定では、スキャン書類の文字が読みにくくなり、写真にはノイズが見えます。

重要なのは書類の用途です。画面だけで見るPDFは、画面解像度より細かい情報が見えないため、比較的強く画像を圧縮できます。印刷するPDFは、出力で劣化が見えないよう、高い画質を保つ必要があります。

文字データ(ベクター)とスクリーンショットや写真(ラスター)の両方を含むPDFでは、圧縮の影響を受けるのはラスター部分です。画像を強く圧縮しても、文字データは鋭い輪郭を保ちます。ただし、スキャンページの文字はラスター画像の一部です。

よくある失敗

  • 結果を確認せず圧縮する: 圧縮後のPDFを必ず元ファイルと比べます。文字を読めるか、画像の品質を許容できるか、内容が欠けたり壊れたりしていないかを確認してください
  • スキャン書類を最大設定で圧縮する: スキャンページは全体がラスター画像なので、強い圧縮で文字が目立ってぼやけます。中程度の品質を使い、強い非可逆圧縮より解像度の調整を優先します
  • 必要なくフル解像度の画像を埋め込む: 書類内で幅2インチに表示する画像に、幅4,000ピクセルは通常必要ありません。埋め込み画像の解像度を、書類の用途と出力解像度へ合わせます
  • 共有前に圧縮しない: 大きなPDFはメールの添付上限を超え、クラウド共有を遅くし、保存領域を余分に使います。画像やスキャンを含むPDFは、配布前に圧縮結果を確認してください

よくある質問

PDFファイルが大きいのはなぜですか?

最も多い原因は埋め込まれた画像です。特に、フル解像度のまま配置した画像や、無圧縮形式の画像が影響します。無圧縮の写真1枚で数MB増えることがあります。スキャン書類は各ページがほぼ全面画像なので、大きくなりやすいファイルです。

PDFを圧縮すると画質も落ちますか?

手法によります。使っていないメタデータの削除や内部構造の整理では、見た目は変わりません。埋め込み画像を非可逆圧縮すると画質が落ちます。文字や画像が目立って悪くならない範囲で、ファイルを減らす設定を選ぶことが大切です。

文字の品質を落とさずPDFを圧縮できますか?

はい。PDF内の文字はベクターデータとフォント情報として保存され、容量が小さく、通常は画像圧縮の影響を受けません。PDF圧縮による画質低下は、埋め込まれたラスター画像に起こり、文字データそのものには起こりません。ただし、スキャン画像内の文字は画像として扱われます。

PDFの適切なファイルサイズは?

内容によります。文字だけの書類は100 KB未満、画像が数点ある書類は1〜5 MB、図の多い書類やスキャン書類は5〜20 MBが1つの目安です。大幅に上回る場合は圧縮できる可能性がありますが、ページ数、解像度、保存要件も考慮してください。

PDF圧縮でファイルサイズをどの程度減らせますか?

結果は大きく異なります。高解像度の無圧縮画像を含むPDFは、70〜90%小さくできる場合があります。すでに十分に最適化されていれば、10〜20%しか減らないこともあります。何がファイルを大きくしているかで決まります。

出典

関連資料

PDF圧縮とは | 用語集 | Shotomatic