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PDFのアクセシビリティ

PDFのアクセシビリティは、適切な構造、タグ、テキストレイヤーを用意し、スクリーンリーダー、キーボード操作、その他の支援技術を使う人もPDF書類を利用できるようにすることです。

PDFのアクセシビリティが重要な理由

PDFは広く共有される書類形式ですが、作成しただけでアクセシブルになるわけではありません。見た目が正しいPDFでも、スクリーンリーダーやキーボードで操作する人には利用できない場合があります。

スクリーンリーダーは書類を順番に処理し、構造化されたマークアップから読み順、見出し、画像の説明、表の関係を判断します。構造がなければ、内容が順不同に読まれ、画像が飛ばされ、表が意味の分からない文字列として伝わることがあります。

国や地域、組織、提供する書類によっては、アクセシビリティが法的な要件になります。政府機関、教育機関、ADA、Section 508、European Accessibility Actなどの対象となる組織では、アクセシブルな書類の提供を求められる場合があります。要件へ対応しなければ、支援技術を使う利用者を内容から排除し、法的な問題につながる可能性があります。具体的な適用範囲は、最新の法令と専門家の助言を確認してください。

アクセシブルなPDFに必要なもの

支援技術が内容を意味のある形で伝えるには、複数の構造的な要件を満たす必要があります。

  • タグ: 見出し、段落、リスト、表、図を構造タグで定義します。スクリーンリーダーがたどる論理的な読み順と階層を示します
  • テキストレイヤー: 文字の画像ではなく、選択、検索、読み上げができる実際の文字を用意します。スクリーンショットから作るPDFでは、OCRでこのレイヤーを生成します
  • 代替テキスト: 画像や図へ説明を付け、見えない利用者にも内容を伝えます
  • 読み順: 見た目のレイアウトに合う順序を定めます。明示しなければ、スクリーンリーダーが段組み、ヘッダー、フッターの間を意図しない順番で移る場合があります
  • ブックマークとナビゲーション: 書類のブックマークとリンク付き目次を用意し、キーボード利用者がすべてのページを順に移動せず、セクション間を移れるようにします

アクセシビリティにおけるタグ付きPDFと検索可能なPDF

2つの概念は重なりますが、同じではありません。検索可能なPDFにはテキストレイヤーがあり、文字を選択して探せますが、タグがない場合があります。タグ付きPDFには構造マークアップがありますが、作り方に問題があれば、理論上はテキストレイヤーがない場合もあります。

十分なアクセシビリティには両方が必要です。テキストレイヤーは内容を機械可読にし、タグは見出し、リスト、表の関係、図の説明などの構造を支援技術へ伝えます。

スクリーンショットをPDFへ変換するツールでは、2つを同時に処理できる場合があります。OCRでテキストレイヤーを作り、自動タグ付けで基本的な構造要素を加えます。画像だけの書き出しを、検索、移動、支援技術からの利用が可能な書類へ変えられます。ただし、自動処理後も文字、読み順、タグの意味を確認する必要があります。

スクリーンショットを多く使う場合は、あとから直すのではなく、書き出し時にアクセシビリティを確認します。画像のみのPDFを共有したあとでは、修正に時間がかかり、対応も抜けやすくなります。

よくある失敗

  • 見た目が分かりやすければアクセシブルだと思う: 整ったPDFでも、タグとテキストレイヤーがなければ利用できない場合があります。アクセシビリティは見た目だけでなく構造に関わります
  • あとから自動タグを付け、読み順を確認しない: 自動タグ付けツールは、特に複数段組みで読み順を誤ることがあります。タグ付け後に必ず順番を確認してください
  • 装飾画像の扱いを誤る: 装飾画像はアーティファクトとして指定し、スクリーンリーダーが飛ばせるようにします。情報を持つ画像には説明的な代替テキストが必要です。タグのない画像は、ファイル名だけが読まれるか、何も伝わらない場合があります
  • スクリーンショットを画像のみのPDFとして書き出す: 1枚の画像としてPDFへ入れるだけでは、テキストレイヤーもタグもありません。スクリーンリーダーは内容を読めません。書き出し時にOCRとタグ付けを行ってください

よくある質問

PDFを利用しにくくする原因は?

よくある原因は構造タグがないことです。タグがなければ、スクリーンリーダーは読み順、見出し、画像の代替テキストを判断できません。テキストレイヤーのないスキャン書類やスクリーンショット書き出しなど、画像のみのPDFも、選択して読み上げられる文字がないため、そのままでは利用できません。

検索可能なPDFとアクセシブルなPDFは同じですか?

いいえ。検索可能なPDFには検索と選択ができるテキストレイヤーがありますが、見出し、リスト、表、読み順をスクリーンリーダーへ伝える構造タグがない場合があります。アクセシビリティには、テキストレイヤーと適切なタグの両方が必要です。

社内向けPDFもアクセシブルにする必要がありますか?

法的な義務は、国や地域、組織、書類の用途によって異なります。ADA、Section 508、European Accessibility Actなどが関係する場合があるため、対象となる規則と最新の法務方針を確認してください。法的義務の有無にかかわらず、アクセシブルな書類は支援技術を使う同僚にも利用できます。

PDFがアクセシブルか確認するには?

Adobe Acrobat Proのアクセシビリティチェックでは、タグ、読み順、代替テキストなどを確認できます。PAC(PDF Accessibility Checker)などのツールも、PDF/UAやWCAGの基準に照らした検証に使えます。自動チェックだけでなく、キーボードやスクリーンリーダーによる確認も必要です。

スクリーンショットをまとめたPDFもアクセシブルにできますか?

はい。ただし、スクリーンショットに文字がある場合はOCRでテキストレイヤーを加え、さらに構造タグを付けます。書き出しツールによっては、スクリーンショットからタグ付きで検索可能なPDFを生成し、テキストレイヤーと基本的なタグ構造を同時に作れます。結果の精度と読み順は確認してください。

出典

関連資料

PDFのアクセシビリティとは | 用語集 | Shotomatic