用語
テキストレイヤー
テキストレイヤーは、通常は見えているページ画像の背面に埋め込まれた、機械可読な文字です。文書を検索、選択でき、ソフトウェアから扱えるようにします。
テキストレイヤーと見えている文字
ワープロ、ブラウザ、デザインツールなどで作ったボーンデジタル文書には、通常、元のファイル構造の一部として文字があります。最初から機械で読み取れる状態です。
スキャンまたは画像から作った文書のテキストレイヤーは異なります。元は画素だけだった文字をソフトウェアから扱えるよう、通常はOCRで後から加えます。画面では同じに見える2つの文書でも、一方は元からデジタルの文字を持ち、もう一方はOCRで作ったレイヤーを使っている場合があります。
実用上の違いは、ボーンデジタル文書なら選択と検索がそのまま働くことです。画像だけでテキストレイヤーがなければ、人には読めても選択と検索はできません。
テキストレイヤーが重要な場面
見た目で読むだけでなく、文書をソフトウェアから扱う場面で使われます。
- 検索可能なPDF: PDF内を検索できるのはテキストレイヤーがあるためです。なければ、文書内検索で文字を見つけられません
- アクセシビリティ: スクリーンリーダーが文字を読み上げるにはテキストレイヤーが必要です。ただし、意味のある読み上げ順、見出し、代替テキストには、適切な構造タグも必要です。テキストレイヤーだけで完全なアクセシビリティにはなりません
- 文書の索引化: 検索エンジンや文書管理システムは、ページ画像ではなくテキストレイヤーを索引へ登録します
- コピー&ペースト: スキャンやスクリーンショットから文字を選択してコピーするには、テキストレイヤーが必要です
- スクリーンショットのPDF書き出し: PDFへ書き出した画面の文字を、後から引用、検索できるようにします
テキストレイヤーの作り方
作成経路は2つあります。ボーンデジタル文書では、ファイルを作った時点から文字情報があり、別の処理は不要です。
スキャン、写真、スクリーンショットなど、画像から作る文書にはテキストレイヤーを加えます。一般的な方法がOCRです。認識エンジンがページ画像を読み、文字と単語を見つけ、その結果を見えないテキストレイヤーとして画像の背面へ埋め込みます。
一部のスクリーンショットツールが検索可能な書き出しを作るときも、この仕組みを使います。別のツールで後処理する代わりに、書き出し時にOCRを行い、テキストレイヤーを埋め込みます。
よくある失敗
- 読める見た目ならテキストレイヤーもあると思う: ページが鮮明でも、画像だけの場合があります。文字を選択または検索して確かめます
- テキストレイヤーをOCRの別名として使う: 両者は密接ですが、同じものではありません。OCRは認識処理、テキストレイヤーは文書へ埋め込む結果です
- 見た目のレイアウトも再現すると期待する: テキストレイヤーは文字とページ上のおおよその位置を持ちますが、書式、色、視覚構造そのものを保存する目的ではありません。主に検索と選択に使います
- OCR後に精度を確認しない: OCRは完全ではありません。低画質、特殊な書体、複雑な段組みなどでは、誤認識が入ることがあります。重要な文書は結果を確認します
よくある質問
見た目が画像でも、文書にテキストレイヤーがある場合はありますか?
はい。スキャン画像のように見える文書でも、検索と選択に使えるテキストレイヤーが埋め込まれている場合があります。
テキストレイヤーとOCRは同じですか?
同じではありません。OCRは文字を認識する処理で、テキストレイヤーはその処理によって文書内へ作られる成果物の1つです。
文書にテキストレイヤーがあるか確認するには?
ページ上の文字を選択してみます。単語ごとに強調できれば、テキストレイヤーがあります。何も選べなければ、画像だけの文書である可能性があります。
PDFのテキストレイヤーはどこに保存されますか?
PDFファイル自体の構造へ、ページ画像の背面に位置する形で埋め込まれます。別ファイルではなく、文書の一部です。
テキストレイヤーに誤りが入ることはありますか?
はい。OCRから作った場合、元画像の画質が低い、特殊な書体、複雑なレイアウトなどにより、認識の誤りが入ることがあります。
出典
- OCRmyPDF — OCRmyPDF
- Adobe AcrobatでPDFをオンラインOCR処理 — Adobe
- PDF7:スキャンしたPDF文書へOCRを実行し、実際のテキストを提供する — W3C