用語

画像の背景削除

画像の背景削除とは、画像の背景を取り除いたり置き換えたりして被写体だけを切り出し、別の背景、透明レイヤー、ブランド用テンプレートへ配置できるようにする処理です。

背景削除の仕組み

背景削除では、画像を人物、製品、物体などの前景と、それ以外の背景に分けます。そのために透過マスクを作ります。白いピクセルは残す被写体、黒いピクセルは削除する背景を表し、半透明のグレーは髪、影、反射のような柔らかい境界を処理します。

従来はPhotoshopなどの画像編集ソフトで、選択ツール(自動選択、ペン、なげなわ)とレイヤーマスクを使い、手作業で処理していました。手作業なら細かく調整できますが、時間がかかります。髪や複雑な輪郭を持つ画像1枚に15〜30分かかることもあります。

現在は、前景と背景にラベルを付けた大規模な画像データで学習した機械学習モデルも使われます。モデルが画像を解析し、セマンティックセグメンテーションで被写体を識別して、自動でマスクを生成します。数分ではなく数秒で処理でき、細い髪、半透明の布、複数の被写体など、複雑な画像への対応も進んでいます。

出力には、通常、アルファチャンネルを持つPNGまたはWebPを使います。削除した背景が完全に透明になり、被写体を新しい背景と合成できます。

背景削除が使われる場面

  • ECの商品写真: 写真の雑然とした背景を除き、白またはブランドに合わせた背景へ製品を配置します。カタログ全体の見た目をそろえられます
  • マーケティングとSNS: 写真から被写体を切り出し、独自の背景やオーバーレイを使ったコラージュ、販促バナー、SNS画像を作ります
  • プレゼンテーションとドキュメント: 元の背景からスクリーンショットやUI要素を取り出し、ブランド用スライド、モックアップ、ドキュメントのテンプレートへ配置します
  • ビデオ会議: ビデオ通話サービスがリアルタイムで利用者の背景を取り除き、ぼかしや別の画像へ置き換えます
  • 身分証明書やパスポート用の写真: 公的な証明写真では、無地の背景を指定されることがあります。背景削除ツールを使えば、日常的な写真を要件に合う形へ整えられます。提出先の最新要件も必ず確認してください

AIによる削除と手作業の違い

AIによる背景削除は、処理が速く、一般的な被写体を扱うのが得意です。現在のモデルは1秒未満で処理できる場合があり、人物、製品、動物、日用品などを高い精度で識別します。一方、珍しい被写体、前景と背景のコントラストが極端に低い画像、複雑な背景に重なる1本ずつの髪などでは、誤りが出ることがあります。

手作業による背景削除では、ピクセル単位で調整できます。経験のある編集者なら、複雑さを問わず被写体に合わせ、輪郭を整え、影、反射、ガラスなど半透明の要素をどう残すかも判断できます。その分、1枚ごとに数分以上かかります。

組み合わせる方法では、AIで最初のマスクを作り、精度が重要な境界を人が直します。AIの速さと手作業の細かさを両立でき、業務用の写真編集でよく使われます。

数百枚の商品写真を処理したり、撮影したスクリーンショットから画像を大量に作ったりする自動ワークフローでは、AIによる削除が現実的です。多くの用途に足りる品質を得やすく、一括処理できます。

スクリーンショットを多く扱う制作工程では、元画像をそのまま最終成果物にする場合より、別のレイアウトへ組み込む場合に背景削除が役立ちます。モックアップ、合成画像、ブランド用の販促画像を作る間の処理として使います。

よくある失敗

  • 削除後にJPEGで保存する: JPEGは透過に対応しません。背景を削除した画像をJPEGで保存すると、透明部分が通常は白などの単色で埋まり、透過が失われます。PNGまたはWebPで保存してください
  • 輪郭の品質を確認しない: 被写体のマスクが粗いと、新しい背景へ配置したときに色の縁やぎざつきが目立ちます。等倍で輪郭を確認し、背景の残りや欠けが見える部分を修正します
  • 影をすべて削除する: 影は被写体がその場にあるように見せます。完全に除くと、宙に浮いた印象になることがあります。柔らかな影を残すか、合成後に追加する方法を検討します
  • 低解像度の元画像を使う: 背景削除は、鮮明で解像度の高い画像ほど処理しやすくなります。低解像度または強く圧縮された画像では、圧縮ノイズと被写体の境界を区別しにくく、輪郭が荒れます
  • 複数の背景で確認しない: 白背景ではきれいに見えても、暗い背景や色付きの背景では輪郭の乱れが見える場合があります。完成前に複数の背景へ重ねて確認してください

よくある質問

透明背景に対応する画像形式は?

PNGとWebPは完全なアルファ透過に対応し、ピクセルごとに完全な透明、不透明、その中間を表現できます。JPEGは透過に対応しません。透明な領域をJPEGで保存すると、通常は白などの単色で塗りつぶされます。

AIによる背景削除はどのような仕組みですか?

AIモデルは、前景と背景にラベルを付けた多数の画像で学習します。画像を解析して人物、製品、物体などの被写体を識別し、背景と分けるマスクを生成します。現在のモデルは、髪、毛皮、半透明な素材など、複雑な輪郭も処理できますが、仕上がりは画像とモデルによって異なります。

スクリーンショットの背景も削除できますか?

はい。背景削除はスクリーンショットを含む画像に使えます。UI要素だけを取り出す、Webページのスクリーンショットから製品を切り抜く、ウインドウ撮影からデスクトップの壁紙を除くといった用途があります。

背景削除と画像マスクの違いは?

背景削除は背景がなくなった最終結果を指します。マスクはその結果を作る手法です。残す領域を白、除く領域を黒で示すグレースケール画像を作ります。AIで生成する場合でも手作業で描く場合でも、背景削除では内部的にマスクを使います。

背景を削除すると画質が落ちますか?

背景削除だけなら、被写体そのものを再圧縮せず、元のピクセルデータを保てます。ただし、マスクが正確でないと、被写体と削除した背景の境界に色の縁やぎざつきが出ます。精度の高い処理ほど輪郭を自然につなげられます。

出典

関連資料

画像の背景削除とは | 用語集 | Shotomatic